結婚する気などまったくなかった20代後半、
自立自活を目指して独立しすぐに夫に出会ってしまいました。
自分もまわりも驚愕の電撃結婚。
割れたお皿のカケラ同士のように合わさり、
お互いがいればあとは別に何もなくていいやと子どももなく二十数年。
夫は肺ガンに侵され3週間の入院の末、旅立ちました。
自分という「ガワ」だけが残され、中身がごっそり全部失われたような日々の始まりでした。
彼がいない世界に生きていても何の意味も意義もないし、時間の無駄だし、お金も無駄。
最低限のことだけ済ませたら自分も「向こう」へ行くつもりでしたが、
その間の毎日の苦しさに、ただ話し相手が欲しい、
同じ経験をした方にこの苦しみを話してしまいたい、
その一心でインターネットの海を探し、たどり着いたのがアルシエロの前身、天国組会でした。
「泣いていいんだよ」
メンバーさんのその一言に堰を切ったように涙があふれたのを覚えています。
嘆くことを我慢しなくていい、つらいことを黙っていなくていい、
そんな場に恵まれて、私は十二分に彼を悼み苦しむことが出来たように思います。
かけがえのなかった人を失った苦しみは「乗り越える」ものではないのかもしれません。
抱えたまま、痛みを節目ごとに何度も感じながら、次のステップへ歩んでいくものなのかもしれません。
ただ、「あなたは独りじゃない」「その苦しみ、わかるよ」と声を掛けてくれる仲間を得られました。
その皆さんの支えをもらい、存分に嘆き苦しんだ日々の果てに、今は少し笑えるようになりました。
これからどこへ向かうのか、まだぼんやりとしてはいますが、絶望は薄れたように思います。
さりげなく細やかな気遣いをいただき、安心して時間を過ごせるこの会に出会っていなければどうなっていたかわかりません。
同じような苦しみの中にいる方がひとりでも多くここにたどり着けるよう祈ってやみません。
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